顎・フェイスラインのフィラー摘出:超音波で位置を見て、一つの針穴で横顔の比率を平らに整える

「先生、これ取ってもらえますか。横顔の写真で大きく前に出っ張って、とても不自然なんです。」
顎やフェイスラインのフィラーがうまくいかず私のところに来る方は、たいていこの一言から始まります。望みは率直です。触れて、写真にも写るその塊を、なくしてほしい。この記事では、素材の選び方も、なぜこの形になったのかも書きません。それは別のサイトに書きました。もっと実際的なこと、つまり本当に取るとなったら、私がどう取るのかを書きます。
顎のフィラー摘出、難しいのは「取ること」ではなく「どこを取るか」
まず、すべての土台になる考え方から。
顎の問題は、たいてい「中に何かがある」というほど単純ではありません。横顔の比率が崩れているのです。ですから私が扱うのは「フィラーを全部取り切る」ことではありません。不自然な出っ張りと左右非対称の部分を取り除き、横顔を、あの妙な前への出っ張りのない、正常に見える状態に戻すことです。
この違いは大事です。手術台で何をするかが、これで決まるからです。もし目標が「全部取り切る」なら、ひたすら掻き出すことになります。でも顎は、全部取るとかえって改善したかった元の状態に戻ったり、量が足りなくなったりします。それでは骨折り損です。だから私は「取るべき部分」を取り、比率を支えている部分は残します。
キーポイント: 顎の摘出で問うべきは「全部取れるか」ではなく「どこを取れば横顔が平らに、なめらかに整うか」です。その部分がどこにあり、どのくらいの大きさで、どの深さにあるか。まず見て確かめないと分かりません。手の感覚だけの盲目的な吸引ではありません。
それに、ここはいい加減にはできません。顎には、下唇と顎の皮膚の感覚を担うオトガイ神経が下顎骨の小さな孔から出ていて、フェイスラインに沿って後ろへは顔面動脈の枝が走っています。やみくもに掻いたり押し出したりするのは、現実にリスクを伴います。ですから私は顎を扱うとき、順序はいつも同じです。まずはっきり見て、それから針を刺す。
第一歩:超音波で顎をはっきり見る
私の一貫した立場は「見えて初めて安全に処置できる」で、顎はまさにそういう部位です。動く前に、超音波でいくつか確かめます。
- 中身が何の素材で、どの層にあるか。ヒアルロン酸、コラーゲン刺激剤、永久素材は、超音波での見え方が違い、扱い方もまったく違います。
- この塊がオトガイ神経とオトガイ孔にどれだけ近いか。これで進入の角度と経路が決まり、避けて通れます。
- フェイスラインに沿った部分が、顔面動脈の枝にどれだけ近いか。
- すでに線維の層で包まれていないか。包まれたフィラーが、触れるしこりになります。分解酵素はその膜を通れません。
- 総量と分布、左右にどれだけあるか。どこから入れて、どれだけ取れば比率が対称に戻るか、その判断の根拠になります。
この画像がはっきりすれば、針穴をどこに開け、どちらへ進め、何を避けるかが分かります。私はこの一歩を省きません。顎の盲目的な吸引の代償は大きすぎるからです。
第二歩:一つの針穴で、出っ張りを作っている部分を取り出す
はっきり見えたら、次は摘出です。私たち麗式の本領は、とても小さな針穴から入り、超音波のリアルタイム画像に導かれて、取るべき部分だけを的確に取り出すことです。
なぜ切開ではなく一つの針穴なのか。ここは神経も血管もすぐそばにあるからです。開口が小さいほど的確にできますし、超音波を見ながら避けるべき構造を避けられます。全過程を通して、フィラーの位置、私の器具、隣の神経が、リアルタイム画像に映っています。感覚で剝がしているのではありません。
素材によって取り方は少し違います。
- ヒアルロン酸(HA)は、まだ包まれていなければ、溶ける分をまず酵素で減らし、残りを取ります。
- コラーゲン刺激剤そのものと、それが組織に誘導したコラーゲンは溶けないので、物理的に取るしかありません。ついでに名前をはっきりさせておきます。患者さんがよく混同するからです。HArmonyCa はヒアルロン酸とカルシウムハイドロキシアパタイトの複合(半可逆、Allergan 製。ヒアルロン酸の半分は溶け、CaHA と育ったコラーゲンは溶けません)、Radiesse は CaHA(カルシウムハイドロキシアパタイト)、Ellansé は PCL(ポリカプロラクトン)です。
- PMMA やシリコンのような永久素材も溶けないので、超音波下に少しずつ取ります。
線維に包まれたしこりも同じで、酵素が入れないので、超音波下に包まれた塊を直接取り出し、それを包む組織をゆるめます。摘出の技術的な細部は、超音波ガイドのシングルピンホール摘出はどう行うかと低侵襲フィラー摘出の実際の手順で詳しく書いたので、ここでは繰り返しません。
フェイスライン:輪郭に沿って、なめらかな線に整える
フェイスラインは顎先とは少し違います。ここは咬筋が常に働く場所で、話す・噛むで引っぱられ、フィラーが静的な部位よりずっと大きな力を受けます。だから移動や変形が特に多いのです。
超音波でフェイスラインのフィラー問題を見ると、たいてい三通りの動き方をしています。下へ垂れて顎の下で塊になる、後ろへ滑って耳の下あたりへ移る、筋肉に押されて浅い層に出てくる。この三つは取り方が違いますが、原則は同じです。しこりを見つけて掻き出すのではなく、フェイスライン全体が今どうなっているかを見て、どこを取り、どれだけ取るかを決め、その輪郭線をもう一度なめらかに、左右対称に戻します。
ですからフェイスラインの摘出は、「点を抜く」より「線を整える」に近いのです。ここの歪みやしこりの見分け方と対応は、フェイスラインフィラーの歪み・しこりに別に書きました。
正直に言うと:平らに、なめらかに、で、全部取り切る保証ではありません
ここが、いちばん分かってほしいところです。
多くの方が「きれいに取って、少しも残さないで」と思って来られます。正直に言います。顎の摘出は、もともと百パーセント取り切ることが目標ではありませんし、その必要もありません。私の摘出の原則は、横顔の美的比率を最適化することです。不自然な出っ張りを作っている部分を整え、左右を対称にし、比率を自然に戻す。比率を支えている部分を残すほうが、全部掻き出すよりきれいに見えることが多いのです。
もう一つはっきりさせておきます。どの顎の問題も摘出が必要なわけではありません。ヒアルロン酸で、量が多くなく、まだはっきり移動していないなら、多くの場合まず溶かす道が先で、溶かせるものに施術は要りません。溶かすべきか取るべきかは、何を注入されたかで決まります。その判断の層と、顎の素材の選択の兼ね合いは、フィラー修復専門サイトの顎・フェイスラインのフィラー:素材選びと修復の完全ガイドにまとめました。そもそも取るべきかをまず知りたい方は、そちらからどうぞ。
キーポイント: 正直に言えば、摘出の狙いは横顔の比率を自然で対称に近づけることで、跡形なくきれいに取り切る保証ではありません。全部取るとかえって元に戻るか足りなくなります。平らに、なめらかに、が正しい方向です。
つっぱり感、異物感、しびれは、「変な形のしこり」とは原因が違い、圧迫か線維化か神経に関わるものかの見分けが要ります。それは顎フィラーのつっぱり感・異物感・神経のしびれに書きました。
よくある質問
顎のフィラー摘出は手術になりますか。
大きな切開はしません。私が行うのは、とても小さな針穴から入り、超音波ガイド下に取り出すもので、従来の切り開く手術ではありません。開口が小さい利点は、リアルタイム画像を見ながら顎の神経と血管を避け、取るべき部分を的確に扱えることです。
摘出のとき、顎の神経はどう避けますか。
超音波で避けます。顎には下唇と顎の感覚を担うオトガイ神経があり、骨の小さな孔の近くにあります。動く前に超音波でその位置と走行を割り出し、摘出の全過程でも画像を見続けて、器具がそれを迂回するようにします。感覚で中を剝がすのではありません。
溶けないコラーゲン刺激剤、HArmonyCa・Radiesse・Ellansé の顎のしこりは、取り出せますか。
取り出せます。これらの素材と、それが誘導したコラーゲンは溶けません。HArmonyCa はヒアルロン酸の半分だけが溶け、CaHA とコラーゲンは溶けません。Radiesse と Ellansé はまったく溶けません。溶けない部分は、超音波下に一つの針穴で物理的に取り出します。ですから最初の一歩は、何を注入されたかを確かめることです。
顎のフィラーは全部取り出さないといけませんか。
必ずしもそうではなく、一律の全摘出はお勧めしません。顎の問題はたいてい横顔の比率のずれで、要点は不自然な出っ張りと非対称を作っている部分を扱い、比率を平らに整えることです。全部取るとかえって改善したかった状態に戻るか、量が足りなくなります。
フェイスラインが凸凹・非対称になりました。摘出でなめらかに戻せますか。
その方向で対応できますが、まずはっきり見る必要があります。フェイスラインの問題は、単一のしこりではなく、移動やしこりで線全体が歪んでいることが多いのです。超音波で線全体の今の分布を見て、輪郭に沿ってどこを取りどれだけ取るかを決め、なめらかに、左右対称に戻します。実際にどこまで戻せるかは、素材と移動の状態しだいで、対面診察で評価します。
顎の変な形、触れるしこり、横顔のあの不自然な前への出っ張りにお困りなら、フィラー修復サービスで評価の流れを知っていただくか、そのまま診察のご予約を。まず超音波で中身が何か、どこで引っかかっているかを見て、それから溶かすか取るかを一緒に相談しましょう。
医療上の注意:本記事は教育的情報であり、個別の医療アドバイスではありません。フィラー摘出の効果や改善の程度には個人差があり、「永久」の保証も、効果の保証もありません。摘出できるか、どう取るかは、超音波と対面診察のうえで症例ごとに決めます。摘出には内出血、腫れ、一時的な神経感覚の異常、結節、局所的な非対称などのリスクが伴うことがあり、多くは一時的ですが、リスクがゼロという保証はありません。実際の適応、素材の判断、対応方針は対面評価によります。
専門分野
資格・経歴
- 高雄醫學大學醫學系
- 高雄長庚醫院皮膚科專任主治醫師
- 高雄長庚醫院美容中心專任主治醫師
- 廈門長庚醫院皮膚科兼任主治醫師
- 廈門長庚醫院美容中心兼任主治醫師
「すべての手術で、極小の切開と精密な技術で、患者さんに理想的な結果をもたらすよう努めています。低侵襲手術は技術だけでなく、患者さんへの敬意と約束です。」
術後修復の道のりには仲間のサポートも必要です

