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顔への脂肪補充はどこから採取する?大腿・腹部・脇腹の採取部位の特徴と選択

劉達儒 医師2026年8月13日4 分で読めます
医学監修:劉達儒医師(皮膚科専門医)| 最終審査:2026-08-13
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顔への脂肪補充はどこから採取する?大腿・腹部・脇腹の採取部位の特徴と選択

顔の自家脂肪補充(脂肪移植)を相談に来る方のほとんどが、最初に「脂肪はどこから取るんですか?」と聞きます。私がよく返す最初の問いは「今、どこが少し多めですか?」というものです。

ただ、それはあくまでも出発点です。採取部位を決めるときに実際に見ているのは、脂肪細胞の品質、採取できる量、そして採取後の回復を生活の中で受け入れられるか、この三つです。

採取部位が生着率に影響する理由

同じ人でも、体の部位によって脂肪細胞の組成は異なります。臨床で特に注目されているのは**脂肪由来幹細胞(ADSC:adipose-derived stem cells)**の濃度です。ADSCは移植後の脂肪細胞の生存を支え、血管新生を促します。濃度が高いほど、移植後の環境が整いやすくなります。

研究データでは、下腹部と大腿内側から採取した脂肪のADSC濃度が、上腹部・大腿外側・脇腹よりも高い傾向が一貫して示されています。脇腹の脂肪が使えないわけではありませんが、採取計画では補助的な役割を担うことが多くなります。

組織の質感も部位によって違います。大腿内側の脂肪は腹部のものよりもきめが細かく、分離しやすい傾向があります。涙袋(ティアトラフ)や眼周りといった細かい部位への注入には適しています。

重要なポイント: 採取部位の選択は術後にどこが腫れるかだけの問題ではなく、移植した脂肪が長期的にどれだけ生着するかに直結します。ここを正しく判断することが、補充効果を持続させる第一歩です。

採取部位の比較

採取部位採取可能量の目安幹細胞の特性術後の主な制約
下腹部多くの方で十分な量ADSC濃度が高く質感も良好採取量により圧迫の要否が変わる、初期は前屈制限あり
大腿内側中程度ADSC濃度が高く、きめ細かい質感歩行時の緊張感が1〜2週続くことあり
大腿外側多めSVF細胞数は高め、ADSCはやや低い横向き姿勢の制限、圧迫固定が必要
脇腹/側腹個人差が大きい質感が粗め、細胞活性はやや低い腹部に近い回復期
大腿後面限定的研究データが少ない座位が制限される、通常は選択しない

各部位の詳細

下腹部

臨床で最もよく使われる採取部位です。ADSC濃度が高く、採取スペースが広いため、カニューレの操作がしやすい。少量から大量まで対応できる汎用性の高い部位です。

補充量が少ない場合(法令線やリンゴ肌の局所的な補充など)は下腹部だけで十分なことが多く、複数部位を広範囲に補充する場合も腹部が主な採取源となり、必要に応じて脇腹や大腿を補助に使います。

圧迫が必要かどうかは採取量によります。顔への充填のみを目的とする量(およそ 100cc まで)であれば通常は不要で、それを超える場合は必要になります——少なめなら弾性包帯、多めなら着圧ウェアを用います。この期間は前屈が少し制限されます。多くの方は1週間ほどでデスクワークに戻れます。

大腿内側

ADSC濃度は下腹部に匹敵し、質感が細かいため、涙袋・眼周り・口角周辺などの精密な部位への注入に向いています。採取可能量は限られるため、大量補充が必要な場合は腹部と組み合わせて使います。

術後2週間程度は歩行時に緊張感を感じることがあります。

大腿外側

内側よりも採取量が多く確保できます。ADSC濃度はやや低めですが、腹部の量が不足する場合の補助源として機能します。術後は横向き姿勢が制限されます。

脇腹/側腹

採取可能量は体型によって大きく異なります。脂肪層が薄い方では量が不足しやすく、均等に採取しないと表面の凹凸につながることもあります。ADSC濃度や細胞活性は各部位の中でやや低めで、補助的な役割を担うことが多い部位です。

大腿後面

採取量が限られ、座位が制限されるため回復生活への影響が大きく、研究データも少ないため、通常は選択しません。

臨床での判断プロセス

体型の分布は個人差が大きいため、採取部位の選択には公式はなく、診察で個別に判断します。

おおまかな流れとしては、まず補充目標に必要な量を確認します(どの顔の部位に、どれくらいの深さで、どの程度の量を注入するか)。次に体の中で十分な量が確保できる部位を確認します。最後に、どの採取部位の回復を日常生活の中で受け入れられるかを考慮します。

下腹部に十分な脂肪があれば、通常そこが第一選択になります。量が多く必要なら腹部を主にして脇腹や大腿で補い、涙袋など細かい部位への微量注入が目的なら大腿内側も選択肢に入ります。

採取部位の選択と、補充する顔の部位・量は一体で考えるものです。それぞれを切り離して決めると、計画に齟齬が生じます。

補充後の回復の流れについてはこちら:自家脂肪補充後はどれくらい腫れますか?術後の腫脹経過と回復期のケア

生着率のポイントについては:自家脂肪生着率の鍵:採取・精製・注入の3段階技術

重要なポイント: 採取部位・補充量・補充部位は一体の計画です。個別に決めると見落としが生じやすいため、診察でまとめて確認することが重要です。

採取部位の外観への影響

採取後にその部位が凹んだり、凸凹になったりしないかという心配はもっともです。

顔への充填のみが目的であれば、採取量はおよそ 100cc 前後で、採取部位の見た目はほとんど変わりません。「どうせ採るなら多めに採って、そのまま形も整えたい」と考える方もいます——それは別の選択で、採取量も圧迫の要否も回復期間も変わりますので、術前に一緒に相談します。量が多い場合や局所に集中させた場合は、表面の均一性に注意が必要です。カニューレの走行を分散させ、同一平面に集中させないことが大切で、これは手技の一部です。

採取量が多い場合は、術後の圧迫固定が採取部位の凹凸を抑えるのに役立ちます。不快感があっても、推奨期間は外さずに着用を続けることが重要です。

よくある質問

採取部位は自分で指定できますか?

希望を伝えていただくことはできます。ただ、希望の部位の量が不十分な場合や細胞特性が補充目標に合わない場合は、理由を説明した上で代替案を一緒に検討します。

採取後はどれくらい痛みますか?

鈍い痛みや緊張感が主で、鋭い痛みではありません。内服鎮痛薬で対応できる方がほとんどです。5〜7日ほどで快適に過ごせるようになる方が多いです。腹部採取は圧迫固定で管理しやすく、大腿採取は歩行時に感じやすい傾向があります。

採取した部位は太り直しますか?

採取した脂肪細胞は戻りません。ただし、体重が増えれば残っている脂肪細胞が肥大し、採取部位も部分的に膨らむ可能性はあります。術後に体重を比較的安定させることが、顔の補充結果と採取部位の外観の両方に意味を持ちます。

採取と注入は同日に行いますか?

はい。自家脂肪移植の採取と注入は同一手術内で完了します。分割する必要はありません。


顔のどの部位に脂肪補充ができるか知りたい方はこちら:自家脂肪で顔のどこを補充できる?

補充後の脂肪の石灰化や硬いしこりについては:自家脂肪移植で石灰化や硬いしこりはできますか?

ご相談・ご予約はクリニックへお問い合わせください。

著者について
劉達儒

劉達儒医師

麗式クリニック 院長

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専門分野

<20% 極限低侵襲脂肪腫切除術粉瘤 1:1 精密低侵襲切除ワキガ低侵襲根治手術(腋下・乳輪・陰部・小児)アポクリン腺完全除去術フィラー合併症の単一ピンホール物理摘出術(溶解酵素・ステロイド・5-FUではない)自家脂肪硬結のピンホール微細粉砕摘出術

資格・経歴

  • 高雄醫學大學醫學系
  • 高雄長庚醫院皮膚科專任主治醫師
  • 高雄長庚醫院美容中心專任主治醫師
  • 廈門長庚醫院皮膚科兼任主治醫師
  • 廈門長庚醫院美容中心兼任主治醫師

「すべての手術で、極小の切開と精密な技術で、患者さんに理想的な結果をもたらすよう努めています。低侵襲手術は技術だけでなく、患者さんへの敬意と約束です。」

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