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ヒアルロン酸で血管塞栓は起こる?危険な部位・予防法・万一のときの救急タイムライン

劉達儒 医師2026年6月18日4 分で読めます
医学監修:劉達儒医師(皮膚科専門医)| 最終審査:2026-06-18
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ヒアルロン酸で血管塞栓は起こる?危険な部位・予防法・万一のときの救急タイムライン

血管塞栓(vascular occlusion、血管が詰まること)は、ヒアルロン酸(HA)注入でもっとも重い合併症です。発生率は高くありませんが、いったん起これば、軽くて皮膚壊死、重ければ視力に影響します。

正直に言いますと、この記事であなたを脅すつもりはありません。ですが、軽く流すつもりもありません。痛みが怖い、毛虫のように膨らむのが怖い、そういったことはゆっくり対処できます。血管塞栓は違います。これは時間との勝負です。ですから「ヒアルロン酸は安全ですよ」という言葉を鵜呑みにしてもらうより、どう起こるのか、どう防ぐのか、万一起きたらどうするのか、ここで一度きちんとお話ししておきたいのです。


ヒアルロン酸で本当に血管塞栓、ひいては失明まで起こるのですか?

起こります。これは脅しでもなんでもなく、実際に存在し、文献にも記載のあるリスクです。

仕組み自体は複雑ではありません。顔の中には動脈が至るところを走っています。ヒアルロン酸がうっかり動脈の中に入ってしまったり、量が多すぎたり圧が強すぎたりして近くの血管を押さえてしまうと、血が流れなくなります。その下流にある皮膚は血液の供給を受けられず、虚血に陥り、やがて壊死していきます。

さらに厄介なのは、顔のある種の動脈が、眼の血管とつながっているということです。万一ヒアルロン酸が血流に逆らって眼の血管まで達し、網膜動脈へ送られる血流をふさいでしまうと、視力の障害を引き起こすことがあり、重ければ失明に至ることもあります。こうした事態はきわめてまれですが、確かに起こり得ますし、いったん起これば、救うための時間の窓は非常に短いのです。

こういう話をするのは、あなたに注入をためらわせたいからではありません。理解してほしいのです。ヒアルロン酸注入は「ひと筋入れるだけ」というような単純な話では決してなく、その下には解剖があり、リスクがあるということを。リスクがどこにあるかを知って、はじめて、どんな人に・どんなやり方で打ってもらうべきかが分かります。

重要ポイント: 血管塞栓は発生率が低くても、重くないという意味にはなりません。低い確率と重い結果、この組み合わせこそが、どう打つか・誰に打ってもらうかを慎重に選ぶべき理由です。


どの部位がもっとも危ないのですか?

部位によってリスクは同じではありません。ちょうど下に重要な動脈が通っているために、高リスク域として広く認識されている場所がいくつかあります。

  • 鼻。鼻背から鼻先にかけて鼻背動脈が走り、しかも眼の血管とつながっているため、失明リスクでもっとも注目される部位のひとつです。
  • 眉間(額の中央あたり)。ここには滑車上動脈、眼窩上動脈があり、やはり眼へとつながっています。
  • 涙袋の下(涙溝)。眼の下は血管が密で皮膚も薄く、毛虫の記事でも触れたとおり、ここを見ずに打つのは特に危険です。
  • ほうれい線、鼻唇溝。顔面動脈に近く、壊死の症例がよく現れる位置です。

こうした「危険域」の解剖の詳細は、〈顔の充填の危険域と血管マップ〉の記事でもっと詳しくお話ししています。ひとことで言えば、これらの動脈に近いほど、眼に近いほど、感覚だけで打ってはいけない部位だということです。


では、どう予防するのですか?

血管塞栓の予防は、運任せではありません。注入のひと動作ごとの慎重さで決まります。私自身が大切にしているのは、次のような点です。

  • 解剖を理解し、危険域を避ける。動脈がどこを走っているか分かっていれば、針を入れる位置・向き・深さでそこをよけられます。これがもっとも基本であり、もっとも肝心です。
  • カニューレ(cannula、先端の鈍い極細管針)が使える場面では使う。カニューレは尖った針のように血管壁を直接貫きやすくはないため、高リスク域では血管に誤って入る可能性を下げられます。
  • 注入の前に吸引する。針を入れたら、まず軽く吸引(aspiration、注入前に少し引いて逆血を確認すること)して、血が引けてこないかを見て、針が血管の中にないことを確かめてから、ゆっくり押します。
  • 少量・ゆっくり・低圧で。一度に少しずつ、ゆっくりと、低い圧で。そうすれば血管に近くても、ヒアルロン酸を無理に押し込んでしまいにくくなります。
  • 見えてから打つ。これが私のいちばん大切にしている点です。

最後の点は特にお話ししておきたいのです。先に挙げた予防の動作、避ける・吸引する・ゆっくり押す、これらはどれも大切ですが、共通の前提があります。血管がどこにあるかを知っていなければならない、ということです。ところが、血管の走り方は人それぞれ少しずつ違いますから、解剖の教科書にある「平均的な位置」だけでは足りません。

ですから私は超音波ガイド下(ultrasound-guided)で行います。針を入れる前に、超音波であなたのこの顔・この部位の血管が実際にどう走っているかを映し出し、しっかり見てから、針をどう進めるか・どの深さに置くかを決めます。これは経験や手の感覚だけで見ずに打つのとは、安全のレベルがまったく別物です。私たち麗式がずっとやってきたのは、「見えてはじめて安全に対処できる」ということです。

重要ポイント: 血管塞栓を防ぐもっとも確実な一手は、打つ前にまず血管がどこにあるかを見て、それを避けることであって、打ち込んだあとで何も起きないことを祈ることではありません。


万一本当に詰まってしまったら、救急の流れはどうなりますか?

先に正直なことをひとつ。血管塞栓は急症で、その対処は時間との勝負です。そして、誰も必ず救えると保証することはできません。私がお話しできるのは、ゴールデンタイムをつかみ、正しく処置すれば、傷害を最小限に抑えられる、ということだけです。

おおまかな処置の順序は、次のようになります。

  1. ただちに注入を止める。異常な激しい痛み、皮膚が白くなる・まだらになる、色がおかしいといった、おかしいと気づいた瞬間に手を止め、それ以上押しません。
  2. ヒアルロニダーゼ(hyaluronidase、HA 溶解酵素)を大量に注入する。これがヒアルロン酸による塞栓の鍵となる解毒薬です。血管をふさいでいるヒアルロン酸を溶かし、血流をできるだけ早く戻します。用量も範囲も十分に足りていなければなりません。
  3. 超音波で位置を特定する。どの血管のどの区間に詰まったのか、ヒアルロン酸がどこに留まっているのか、超音波なら見えます。だからこそヒアルロニダーゼも正確に打てるのであって、感覚だけでやみくもに打つのではありません。
  4. 循環を促す処置を組み合わせる。温罨法、マッサージ、必要であれば血流を助ける薬を用いて、下流の血をできるだけ救います。
  5. 眼に関わる事態は、一刻を争って転院させる。視力の警告サインが出たら、これはもう一般的な処置の範囲を超えています。眼科救急の対応ができる施設へただちに送らなければならず、時間は分単位で動きます。

お気づきのとおり、この一連の救急のなかでも、「見える」ことがまた鍵になります。どこに詰まっているか、十分に溶けたか、超音波がどれも助けになります。私たちが充填物による血管合併症の修復を行うとき、超音波がほとんど手放せない道具であるのは、このためです。実際の救急症例がどう動くのかは、〈ある血管塞栓の緊急救援〉と〈血管塞栓の仕組みと救急〉の2つの記事をご覧ください。


なぜ「見える」ことが血管塞栓では特に重要なのですか?

ここまで読めば、おおよそお分かりだと思います。予防にせよ救急にせよ、私が繰り返し強調しているのは同じひとつのこと、見える、ということです。

打つ前に見えるから、血管を避けて打ち込まずに済む、これが予防です。万一詰まっても、見えるから、どこに詰まったか・ヒアルロニダーゼをどこに打つべきか・十分に打てたかが分かる、これが救急です。前と後ろ、どちらも同じひとつの能力に支えられています。

だからこそお伝えしたいのです。血管塞栓というものは、見ずに打つのと超音波ガイド下で打つのとでは、まるで別の世界だと。先に挙げた危険な部位、鼻・眉間・涙袋の下では、なおさらです。あなたが怖がるべきは「痛いかどうか」「毛虫のように膨らむかどうか」だけではありません。それよりも問うべきは、自分に打つ人は、私の顔の血管が見えているのか、ということです。前の〈涙袋ヒアルロン酸はなぜ毛虫のように膨らむのか〉の記事が語ったのは見た目のこと、この記事が語るのは安全のことですが、その根っこにある理屈は同じひとつです。

重要ポイント: 血管塞栓のいちばんよい対処は、そもそも起こさないことです。そしてそれを実現するのは、注入の前にまず血管を見ておくことです。


安全のことは、もうひとこと尋ねる価値があります

もしあなたがヒアルロン酸注入を考えているのなら、とりわけ鼻・眉間・涙袋の下といった部位に打つのなら、価格だけ、どこが安いかだけで比べないことをおすすめします。もうひとこと尋ねてみてください。ここでは血管塞栓をどう予防していますか。注入のとき血管は見えていますか。万一何かあったとき、ここにはその場で対処できる力がありますか。

こうした問いを口に出すことのほうが、わずかな金額を節約することより、はるかに大切です。

私がどのようにあなたを評価し、どんなやり方で打ち、療程全体をどう組み立てるか、こうしたことはすべて、あなたの部位と状態に合わせて個別に計画します。診察のときに直接きちんとお話ししますし、LINE で個別にお尋ねいただくこともできます。打つ前にまず血管を見て、何かあったときに対処できる力のある人を探しているなら、私が直接ご評価する予約をどうぞ。

医療上のご注意:本記事は啓発のための情報であり、個別の医療アドバイスではありません。血管塞栓はヒアルロン酸注入の重い急性合併症で、皮膚壊死、視力障害、ひいては失明を招くことがあります。発生率は低いものの、ゼロリスクを保証することはできず、いったん起きたときに完全な回復を保証することもできません。予防と救急の成果は、個々の状態、受診までの時間、塞栓の範囲によって異なります。ヒアルロン酸による充填の効果と持続期間には個人差があり、「永久」の効果はなく、効果を保証するものではありません。麻酔薬やヒアルロニダーゼにアレルギーのある方、妊娠中の方、注入部位に感染のある方は、通常適応となりません。実際の適応、予防と救急の計画は、診察での評価に基づきます。異常な激しい痛み、皮膚が白くなる・変色する、視力の異常が現れたときは、ただちに受診してください。

著者について
劉達儒

劉達儒医師

麗式クリニック 院長

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専門分野

<20% 極限低侵襲脂肪腫切除術粉瘤 1:1 精密低侵襲切除ワキガ低侵襲根治手術(腋下・乳輪・陰部・小児)アポクリン腺完全除去術フィラー合併症の単一ピンホール物理摘出術(溶解酵素・ステロイド・5-FUではない)自家脂肪硬結のピンホール微細粉砕摘出術

資格・経歴

  • 高雄醫學大學醫學系
  • 高雄長庚醫院皮膚科專任主治醫師
  • 高雄長庚醫院美容中心專任主治醫師
  • 廈門長庚醫院皮膚科兼任主治醫師
  • 廈門長庚醫院美容中心兼任主治醫師

「すべての手術で、極小の切開と精密な技術で、患者さんに理想的な結果をもたらすよう努めています。低侵襲手術は技術だけでなく、患者さんへの敬意と約束です。」

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