
こめかみリフト(側頭部リフト)
眉尻・目尻の下垂と上まぶた外側のたるみに切開は生え際内|術前超音波で浅側頭動脈を確認|深側頭筋膜に固定|台北信義・高雄文康
こめかみリフトはどんな人に向いていますか?
問題が目の外側に集中している方に向いています。眉尻の下垂、目尻の下垂、または眉尻が下がって生じた上まぶた外側のたるみがあり、たるみの量が糸リフトや高周波・超音波で対応できる範囲を超えている場合です。切開は側頭部の生え際内に隠し、局所麻酔+緩和鎮痛麻酔で行い、抜糸は術後約14日です。眉全体が低い、額のしわが深い、下顔面のたるみがはっきりしている方には別の術式が必要です。
隠す・見る・固定する
切開は生え際の内側
切開は側頭部の生え際の内側、片側約5〜7cm。毛包が傷跡から生えるよう斜めに切開し、顔には切開を置きません。生え際の高さ・額の長さ・髪の量は人それぞれなので、切開の設計は術前に一緒に確認します。
見てから手を入れる
こめかみの小さな範囲の下を、顔面神経の側頭枝と浅側頭動脈が通っています。術前に超音波で浅側頭動脈の位置を印し、以前に入れたフィラーや糸がないかも確認してから、切開と剥離の層を決めます。
皮膚の張力ではなく筋膜を固定
皮下と深側頭筋膜浅層の表面という2つの層で剥離し、浅側頭筋膜とその上の軟部組織を上外側へ深側頭筋膜に固定します。固定するのは筋膜で、皮膚はそれについてきます。皮膚だけを引くと張力がすべて切開部にかかり、傷跡が広がりやすく、位置も保ちにくくなります。
このような症状ではありませんか
目尻のたるみはまぶたの問題と思われがちで、上まぶたを処置しても眉尻は下がったままということがあります。起点はもっと上、もっと外側の側頭部にあることが多く、そこの軟部組織が下がると眉尻がつられて下がり、目尻の皮膚も引き下げられます。まず眉を支えて、それからまぶたを見ます。
- 眉尻が眉頭より低く、眉の形が平らまたは下向きになった
- 目尻が下がり、怖そう・疲れていると言われる
- 目尻に皮膚がかぶさり、アイラインや外側のまつ毛が隠れる
- 上まぶたの手術をしたのに、眉尻は下がったまま
- こめかみのこけと眉尻の下垂が同時にあり、横から見ると眉骨の外側がへこんでいる
- 糸リフトや高周波・超音波をしても、眉尻のたるみがそれらで対応できる範囲を超えている
狭い側頭部に多くの構造
側頭枝がどこにあるか、浅側頭動脈がどう走るか、以前に何か入れたか。この3つは開いてから探すのではなく、術前に確認します。
眉尻が眉頭より先に下がる理由
眉の内側と中央は前頭筋が支えていますが、外側3分の1には前頭筋がなく、側頭部の軟部組織と靭帯だけで固定されています。側頭部の脂肪と筋膜がゆるむと、外側の眉が内側より早く下がり、上まぶた外側の皮膚を押し下げて目尻にたるみをつくります。これは偽性の上まぶたのたるみで、皮膚が本当に余っているとは限らず、上のものが下がってきた結果です。
側頭枝が走る層
顔面神経の側頭枝は耳の前から眉尻の外上方へ斜めに側頭部を走り、眉を上げる働きを担います。走行は人によって異なり、浅側頭筋膜の中またはその下面を通ります。そのため剥離は浅側頭筋膜の上か、深側頭筋膜浅層に沿って行い、神経を持ち上げた皮弁の中に残します。浅側頭筋膜の中間をあいまいに進むことはしません。目尻外上方の見張り静脈(sentinel vein)は「神経が近い」ことを示す目印です。
浅側頭動脈と既存の素材
こめかみで脈を触れるのが浅側頭動脈で、伴走する静脈とともに側頭部の浅い層を通ります。剥離で傷つけると術後の血腫が起こりやすくなります。こめかみはフィラーや糸がよく入れられる場所でもあり、以前の素材は層を変えてしまいます。術前に超音波で動脈と古い素材の位置を印し、開く前に把握しておきます。
こめかみリフト vs 内視鏡額リフト vs フェイスリフト vs 糸リフト vs 高周波・超音波
| 比較項目 | こめかみリフト | 内視鏡額リフト | フェイスリフト | 糸リフト | 高周波/超音波 |
|---|---|---|---|---|---|
| 対象範囲 | 眉尻・目尻・上まぶた外側・こめかみ | 眉全体・額・眉間 | 中顔面・フェイスライン・首 | 糸の方向に沿った部位 | 肌質と浅層〜筋膜層の引き締め |
| 切開 | 側頭部の生え際内 | 頭皮内の小切開数か所 | 耳の前後から生え際へ | 針穴 | なし |
| 作用 | 筋膜を固定し直し、余剰皮膚も切除可能 | 骨膜上または骨膜下で全体を挙上 | SMASを剥離・固定し皮膚を切除 | とげで組織を吊り上げる。糸が支えられる量に限界 | 熱でコラーゲンを収縮・再生、位置の変化は限定的 |
| 向いている人 | 問題が目の外側に集中し、たるみが糸や機器の範囲を超えている | 眉全体が低く、額のしわが多い | 下顔面の明らかな下垂・首のたるみ | 軽度〜中等度で組織がまだ元の位置に近い | ハリの低下・軽度のたるみ |
| 注意点 | 側頭枝・浅側頭動脈・生え際の傷跡 | 中顔面〜下顔面は範囲外 | 眉尻と上まぶたは別途評価 | 側頭部は血管が多く、針の経路で浅側頭動脈を避ける | 側頭枝は浅いので、エネルギーの深さを合わせる |
重要な視点: 問題がある層に合った道具を使います。眉尻がどれだけ下がったかで、糸リフトや機器の天井が決まります。その線を超えたときがこめかみリフトの出番で、たるみがまだ軽ければ、徹底したいという理由で手術を選ぶ必要はありません。
研究が示すこと — あなたにとっての意味
こめかみリフトで最も引用される2つの症例シリーズ:原法と合併症、そして923例の長期追跡です。
手術の流れ
座って描くから正確:横になると側頭部の組織が後ろへずれ、眉尻が自然に少し上がるため
座位での評価
眉尻・目尻の位置と引き上げ方向
超音波マーキング
浅側頭動脈と既存の素材
麻酔
局所麻酔+緩和鎮痛麻酔
生え際内切開・筋膜固定
浅側頭筋膜を深側頭筋膜へ固定し余剰皮膚を切除
再診と抜糸
翌日に圧迫包帯を除去、約14日で抜糸
臨床エビデンスと参考文献
こめかみリフトの文献は症例シリーズと専門家レビューが中心で、ランダム化試験はありません。研究ごとに術式の範囲・麻酔・追跡期間が異なるため、数値は参考範囲です。当院のこめかみリフトは劉達儒 医師が台北信義本院と高雄文康分院で行います。
- [1]OCEBM 42003
Fogli AL. Temporal Lift by Galeapexy: A Review of 270 Cases. Aesthetic Plast Surg 27(3):159-165.
270例の回顧(1996〜2002年、平均45歳):側頭部の切開から帽状腱膜層を側頭筋膜へ引き上げて固定し、眉尻の下垂と目尻のしわを改善。全例局所麻酔。225例が非常に良好〜良好、13例が普通、13例が不満。片側血腫で排出が必要5例、一時的な脱毛4例、一時的な前頭筋の筋力低下8例(1〜3か月で回復)。
PMID: 14534826 - [2]OCEBM 42015
Verpaele AM, Tonnard PL, Hamdi M. Long-term Use of the Fogli Temporal Lift Technique. Plast Reconstr Surg 135(2):282e-290e.
同一チーム8年以上・923例(20%が側頭部リフト単独、80%がMACSリフト併用):5年以上追跡した患者で、目尻側のまぶたのかぶさりと眉の位置が明らかに改善したのは90%超、5年後の後戻りは10%未満、合併症率は5%未満。
PMID: 25502857 - [3]OCEBM 42025
Şirinoğlu H, Ergün Tatar B, Güvercin E. Long Terms Results of Temporal Facelift: 6 Years of Experience in 250 Cases. J Craniofac Surg 36(2):e188-e192.
250例(平均37歳):片側の側頭枝の一時的な筋力低下5.6%(平均2.8か月で自然回復)、修正手術2.4%、血腫・壊死・感染はなし。この術式は全身麻酔下で深層中顔面リフトと外眼角固定を併せて行うもので、当院のこめかみリフトより範囲が広く、数値はそのまま当てはまりません。
PMID: 39641911 - [4]OCEBM 52022
Savetsky IL, Cohen JM, Matarasso A. Subcutaneous Lateral Temporal Lift. Clin Plast Surg 49(3):365-375.
開放冠状切開・内視鏡額リフトから皮下外側側頭リフトへと移ってきた筆頭著者の経験レビュー:外側の眉の位置は額の若返りの中心で、皮下外側側頭リフトは外側の眉を確実かつ安全に引き上げられる。
PMID: 35710152
当院が堅持する「誠実な説明」
どの施術も十分ご理解いただいたうえでご決断いただきたいものです。以下は一般的な留意事項と研究の現状で、個別の適応は医師が患者様の状況に基づき評価し、安心して治療を受けていただけるようにします。
禁忌
- •妊娠中・授乳中:通常は手術を延期
- •抗凝固薬・抗血小板薬・一部のサプリメント:側頭部は血管が多く血腫のリスクが上がります。まず医師に伝え、自己判断で中止しないでください
- •生え際が高い・額が長い・髪が少ない:切開を隠せるか、生え際上に置くかで設計が変わります
- •側頭部・額のリフトや糸、こめかみ・眉尻のフィラー歴:術前に超音波で素材と層を確認し、必要なら古い素材を先に処置します
- •閉瞼不全・ドライアイ・甲状腺眼症:眉尻と目尻の位置が変わると閉瞼や乾燥感が変わることがあるため、眼科または主治医の事前評価が必要です
- •喫煙・ケロイド体質・コントロール不良の高血圧や糖尿病:創傷治癒と出血に影響するため、禁煙や主治医との調整を先に行います
一般的な副作用
- •こめかみと目の周りの腫れ・内出血(目尻や頬まで広がることも)、頭皮の切開部のつっぱり感
- •頭皮と額の外側のしびれ・感覚の鈍さ(細い感覚神経への影響)、多くは時間とともに回復
- •左右で腫れの引き方が違い、回復期に一時的な眉の左右差;切開周囲の髪が一時的に薄くなる(多くは再び生える)
- •血腫:片側の急な腫れ・痛みの増強・皮膚の張りとてかり。すぐに受診してください
- •側頭枝の牽引・損傷:片側の眉が上がりにくい。多くは一時的ですが回復に時間がかかるため経過観察が必要
- •切開部の感染や離開、傷跡の拡大や傷跡部の脱毛、続くしびれ、後戻りや左右差の再調整
研究の現状と臨床観察
- •長期データの多くは単一チームの後ろ向き症例シリーズ(Fogli 2003、Verpaele 2015)で、ランダム化比較はなく、術式の細部も当院と完全には同じではありません。
- •こめかみリフトは目の外側だけを扱います。額中央のしわ、眉間、目の下、中顔面〜下顔面は変わりません。眉全体が低い方や下顔面のたるみがはっきりしている方は、術後にほかの部位のたるみが目立つことがあるため、術前に一緒に確認します。
- •引き上げすぎると眉尻が高くなりすぎ、驚いたような目つきになります。また左右はもともと対称とは限りません。どちらも術前の座位マーキングで一緒に確認・記録します。
すぐに受診すべきとき
腫れ・内出血・しびれの多くは時間とともに落ち着きます。次のような場合は待たずに受診してください:
- 片側の急な腫れ:片方のこめかみや目の周りが短時間で大きく腫れ、硬くなり、痛みが増す
- 視力の変化:かすみ・二重に見える・眼球を動かすと痛い・腫れて目が開かない
- 皮膚の色の異常:側頭部や切開周囲が異常に白い・暗紫色・網目状の模様
- 眉が上がらない:片方の眉がまったく上がらず、額の片側にしわが出ない
- 感染の兆候:切開部の赤み・腫れ・熱感・痛み、分泌物、発熱
- 目が閉じない・乾燥が続く:閉じても白目が見える、しみる乾燥感が改善しない
費用を構成する項目
| 項目 | 費用のご案内 | 備考 |
|---|---|---|
| 初診評価(座位での眉尻・目尻・上まぶた・こめかみの評価) | 対面評価後に個別にご案内 | — |
| こめかみリフト(術前超音波マーキングを含む) | 対面評価後に個別にご案内 | 片側・両側と切開の設計により異なります |
| 目の下の手術や自家脂肪注入の同時施術 | 対面評価後に個別にご案内 | — |
実際の費用は個別の症状・施術回数・カスタム配合により異なり、LINE相談または対面診察の際に医師が個別にご説明いたします。医師が個別の状況に応じて、治療内容とその判断根拠を丁寧にご説明します。
よくある質問
こめかみリフト(側頭部リフト)とは?フェイスリフトとの違いは?
目尻のたるみは、眉尻の下垂?それとも上まぶたのたるみ?
傷はどこにできますか?傷跡は目立ちますか?
麻酔はどうしますか?
術後のケアは?抜糸はいつですか?
こめかみリフト・糸リフト・高周波/超音波、どう選べばいい?
こめかみがこけて、しかも下がっている。脂肪注入とリフト、どちら?同時にできる?
効果はどれくらい持ちますか?
どこで受けられますか?

劉達儒 医師
麗式クリニック院長・低侵襲治療15年以上
- 前長庚医療センター皮膚科・美容センター専任主治医
- 皮膚科専門医・低侵襲外科を専門とする
- 高度超音波ガイド処置・フィラー合併症修復・頂泉腺完全クリアランス
「見えてこそ安全に処置できる」が私の全手術を貫く信念です。皮下の世界は複雑で、かつては経験と手感に頼るしかありませんでしたが、今は高度な超音波という確かな目があります。血管・神経・カプセル・腺を見てから切る位置と深さを決める——それが患者様が受けるべき標準です。
こめかみリフト・生え際内の切開・筋膜固定
下がった側頭部の筋膜を戻せば、皮膚はついてくる
眉尻・目尻の下垂と上まぶた外側のたるみ・座位マーキング・術前超音波で浅側頭動脈を確認・局所麻酔+緩和鎮痛麻酔
こめかみリフトに含まれるもの
座位での評価とマーキング
横になると側頭部の組織が後ろへずれるため、座って描きます
術前超音波で浅側頭動脈をマーキング
側頭部の既存フィラーや糸の有無も確認
生え際内の切開・筋膜固定・余剰皮膚の切除
翌日に圧迫包帯を除去・約14日で抜糸
どの方法が合うか迷っている方へ
まず写真を送って相談しても、直接診察を予約しても構いません。 ご相談から診察までの流れ