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電波・超音波・糸リフトの選び方|たるみ・凹み・肌質を「層」で見分ける

劉達儒 医師2026年6月17日6 分で読めます
医学監修:劉達儒医師(皮膚科専門医)| 最終審査:2026-06-17
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電波・超音波・糸リフトの選び方|たるみ・凹み・肌質を「層」で見分ける

「電波と超音波、結局どっちがいいんですか」。診察室でいちばん多い質問です。

でも正直なところ、その問いはいちばん大事な一歩を飛ばしています。電波・超音波・糸リフトの違いは「どれが高いか」ではありません。効くところ、つまり届く層がそもそも違うんです。電波(単極高周波)は真皮から皮下を容積加熱して肌質と浅い引き締めを担当します。超音波(高密度焦点式超音波)はもっと深い筋膜層(SMAS)にエネルギーを集束させてリフトする。糸リフトは吸収性の糸で物理的に吊り上げて、方向をつけて組織を戻す。だから先に決めるべきは機種じゃなくて、あなたの問題がたるみなのか、凹みなのか、それとも肌質なのか。そこを見分けるのが出発点です。


電波・超音波・糸リフトは何が違う?一覧表で理解する

三つを「どれが優れているか」で比べる人が多いのですが、そもそも競合じゃありません。深さも、対応する問題も違う、別々の道具です。並べてみるとよく分かります。

比較項目電波(単極高周波 RF)超音波(焦点式超音波 HIFU)糸リフト(吸収性の糸)
エネルギー/媒体単極高周波電流高密度焦点式超音波物理的な糸(PDO/PLLA など)
主な作用層真皮〜皮下脂肪筋膜層(SMAS)皮下〜筋膜、糸の経路に沿って
エネルギー分布容積式・広く均一な加熱点状集束・深く狭い線状・吊り上げ方向に沿う
主に解決する肌質・引き締め・毛穴・浅いたるみ中下顔のリフト・輪郭構造的サポート・方向性リフト
即時 vs 漸進即時引き締め+漸進的なコラーゲン再構築主に漸進的即時吊り上げ+漸進的コラーゲン
適した老化のタイプ肌質のゆるみ・全体的に引き締めたい筋膜下垂・輪郭のゆるみ局所の明らかな下垂・狙った引き上げ

重要なポイント: 電波は「面」、超音波は「点」、糸リフトは「線」。電波は広く加熱して肌質と浅い引き締めを、超音波は深い筋膜に集束させてリフトを、糸リフトは糸の方向に沿って吊り上げます。作用する層もエネルギーの届き方も根本的に違うので、「一つが他を置き換える」関係ではありません。

電波の加熱の仕方について少し補足します。海外の美容医療機関の啓発資料では、単極高周波(monopolar RF)は真皮と皮下を広く・容積的に加熱するのに対して、焦点式超音波(HIFU)は一点の深さに狭く集束させる、と整理されています(PS Medical、Veritas Clinic の啓発資料)。この「広いか、深いか」という物理の違いが、そのまま層で診ていく考え方の土台になります。


あなたの問題はたるみ・凹み・肌質のどれ?まず層で診断する

ネットで多いのは「やるべき?何本入れれば効くの?」という質問です。でも「何本」に答える前に、まず「どの層が問題なのか」を決めないといけません。顔の老化って、たいてい原因が一つじゃないんです。たるみ・容積喪失・筋膜の下垂が混ざっている。

  • 肌質と浅いたるみ:キメが粗くなって、毛穴が目立って、触るとゆるくてハリが乏しい。これは主に真皮層の問題です。
  • 容積喪失(凹み):こめかみ・頬・中顔面の脂肪パッドが加齢で痩せて下がり、顔が「しぼんで」「凹んで」見える状態。でも皮膚そのものはゆるんでいません。これは「ゆるみが増えた」んじゃなくて「何かが減った」んです。
  • 筋膜下垂(SMAS):中下顔を支える構造がゆるんで、フェイスラインがぼやけ、もたつきが出る。問題はもっと深い筋膜層にあります。

重要なポイント: 同じ「顔がたるんだ」でも、肌質のゆるみ・容積の喪失・筋膜の下垂のどれなのかで、やることはまったく変わります。層で診る意味は、お金を使う前に、必要なのが引き締めなのか容積補充なのか構造リフトなのかを見分けることにあります。凹みをたるみと取り違えて電波を打つ、肌質の問題を下垂と勘違いして糸リフトをする。それでは方向が逆です。

だから劉達儒 医師は、診察でいきなり「まずサーマクールを」とは勧めません。すべての顔が電波から始めるべき、ではないんです。まず主な問題がどの層にあるかを見て、それから道具を決めます。凹み顔・薄い顔の見分け方を先に知りたい方は、〈電波で凹み顔・薄い顔をどう読む?トリアージの前に〉を読んでみてください。


電波は何を解決する?

電波の核心は容積加熱(Volumetric Heating)です。単極高周波電流が組織を通るときにインピーダンス熱が生まれ、真皮と皮下のコラーゲンを含む組織を約 55〜65°C に均一に温めます。この温度帯になると既存のコラーゲン線維がその場で縮んで太くなり(これが即時の引き締め)、同時に数週間から数か月かけて新しいコラーゲンの生成・再構築が動き出します(こちらが漸進的な効果)。

新世代の Thermage FLX は AccuREP というインピーダンス技術で、一発ごとにそのときの皮膚状態に合わせてエネルギーを調整します。部位ごとの状態に応じて、より均一に加熱することを狙ったものです。

電波がいちばん得意なのは肌質と浅い引き締めです。触ったときのハリ、キメの細かさ、浅いたるみの改善。強みは「広く・均一」で、全顔を全体的に引き締めて肌質を整えたい方に向いています。ただし正直に言うと、電波は「凹みを補う」道具ではありません。主な問題が容積喪失なら、電波でゆるんだ皮膚を少し縮めることはできても、下がった脂肪パッドを元に戻すことはできないんです。

重要なポイント: 電波を打った直後の引き締まり感は「即時効果」で、これはもともと出るもの。一部は時間が経つと戻ります。本当のリフト・引き締めが完全に出てくるのは1か月後です。ビフォーアフター写真も1か月後から見比べてください。1か月後に何も変わらなければ、3か月後にサプライズを期待しても無理。安い電波が「打ったのにお金の無駄」になりやすいのも、ここが理由です。

劉医師は電波の第一世代から今まで、15 年以上この手の引き締めを続けてきました。その経験から言えるのは、電波を効かせる鍵はやっぱり、エネルギーが本当に届くべき層に届いているかどうか、ということです。だから劉医師は「点で打つ」、つまり一発一発を狙った場所に確実に落とすやり方にこだわっていて、滑らせ打ちはしません。両者でエネルギーの分布がどう違うかは、並べて見れば一目瞭然です。点で打てば、一発ごとの熱を集中させて制御しやすい。そこに適切な痛みの緩和を組み合わせれば、患者さんは強い痛みなく必要な発数を打ち切れます。これが電波をちゃんと効かせる前提になります。容積や発数の読み方をもっと知りたい方は、当院の〈サーマクール Thermage 治療ページ〉へどうぞ。


超音波は何を解決する?

超音波(HIFU)の仕組みは電波とまったく違います。超音波エネルギーを一点の深さに集束させて、筋膜層(SMAS、表在性筋膜)に小さな凝集点を作り、その層を縮めてリフトさせます。

筋膜層は顔の「ハンモック」のような土台です。ここがゆるむと中下顔の支えが崩れて、もたつきが出て、輪郭がぼやけてくる。超音波の値打ちは、電波では届かない深さにエネルギーを届けられることにあります。文献や海外の啓発資料でも、HIFU は約 4.5mm の深さの SMAS 層に作用してリフトできるとされています(Aura Medical、Veritas Clinic の啓発資料)。

だから超音波が向き合う問題は筋膜下垂と輪郭のゆるみであって、肌質ではありません。電波と二択で争うものじゃなく、深さで役割が分かれているだけ。浅い肌質と引き締めは電波、深い筋膜のリフトは超音波。本当の下垂を電波だけで治そうとすると「効いてる気もするけど物足りない」になりがちなのは、問題がもっと深い層にあるからです。超音波が向いている人や効果の持ちについては、〈ハイフが向いている人・効果はどれくらい持つ?〉とサービスページ〈超音波リフト Ultrasound Lift〉も合わせて読んでみてください。


糸リフトは何を解決する?

糸リフトは物理的な糸(PDO ポリジオキサノン、PLLA ポリ乳酸など)を使って、二つの働きで効きます。一つは即時の機械的な吊り上げ。コグ(とげ)付きの糸が小さなアンカーのように引っかかって、下がった組織を狙った方向へ持ち上げます。もう一つはじわじわ来るコラーゲン刺激で、糸が皮下で異物反応を起こして線維芽細胞を刺激し、コラーゲンを作らせる。この再構築は糸が吸収された後も続きます。

糸リフトのキーワードは「構造」と「方向」です。電波や超音波にはできないことができる。決まった経路に沿って、方向をつけて引き上げられるんです。下垂がもうはっきりしていて、必要なのが「この組織をこの向きに戻したい」ということなら、糸リフトの構造的なサポートが活きます。

重要なポイント: 電波・超音波は「熱で組織を縮める」、糸リフトは「糸で物理的に持ち上げて配置し直す」。下垂の問題が単に「引き締めたい」ではなく「もう一度吊り上げたい」のとき、糸リフトの役割は代えがたくなります。ただし糸リフトもコラーゲン増生の刺激が要りますし、施術プランが必要で、効果には個人差があって、一度で永続するものではありません。

糸リフトの修正やプランの考え方は、サービスページ〈糸リフトと修正 Thread Lifting〉で続けて読めます。


なぜ「一番高いもの」ではなく「正しい層に効かせる」のか

ネットで見かけた、的を射た言葉があります。「正しい層に効かせるほうが、一番高いものをやるより大切」。背景には、多くの人が見落としている事実があります。一番高い施術でも、間違った層に効かせれば、安い施術を正しい層に効かせたほうに負けるんです。

  • 問題が肌質と浅いたるみなら、どんなに高い超音波でも肌質は補えません。そのエネルギーはその浅い層に止まらないからです。
  • 問題が本当の筋膜下垂なら、電波だけだと「効いてる気もするけど足りない」になりがち。深い筋膜は電波の主戦場じゃないからです。
  • 問題が容積喪失(凹み)なら、電波も超音波も直接容積を足す道具ではありません。このとき要るのは容積を補う施術で、引き締めやリフトじゃないかもしれない。

重要なポイント: 「一番高いものをやる」のは安心です。でも安心は、効くこととは違います。効果を本当に決めるのは、正しいエネルギーを正しい層に届けたかどうか。層で診る意味は、ちゃんと反応する層に予算を使うことであって、間違った深さにお金を投げ込まないことです。

これは劉医師の「点で打つ」という考え方ともつながっています。精密にポイントごとに施術するのは手技の話だけじゃなくて、その奥に同じ発想があるんです。エネルギーは行くべき場所に正確に届けてはじめて効く。そして正確に届けるための前提が、まず「行くべき場所」がどの層なのかをはっきり診断することなんです。


よくある複合プラン(一つで全部は賄えない)

顔の老化は混ざっていることが多いので、臨床では一つの施術で全部やる、ではなく、層で診断したうえで組み合わせを考えます。よくある考え方を挙げます(実際の組み合わせや順番は、診察でその人の状態に応じて判断します)。

  • 肌質のゆるみと浅い引き締めが主:電波を核にして、全顔の肌質とハリを狙う。
  • 筋膜下垂が主で輪郭がゆるんでいる:超音波で深いリフトをして、必要なら浅い引き締めも併用。
  • 方向のはっきりした下垂で構造的に引き上げたい:糸リフトで支えを作り、エネルギー系で肌質を補う。
  • たるみと容積喪失が混ざっている:リフトや引き締めに加えて、容積を補う施術も一緒に組む。

重要なポイント: 複合プランの精神は「全部やる」ことじゃありません。あなたの問題を層で分けて、足りない層を補うこと。一つで足りる人もいれば、分業で二つ要る人もいます。大事なのは、まず層で分けて、それから決めること。セットで一通り打つことではありません。

実際、診察で層を分けてみると「超音波が必要だと思っていた」問題が、よく見たら一部は肌質、一部は容積だった、と気づく方が少なくありません。これがまさに、「まず層で分けて、それから決める」が「いきなり一番高いものを打つ」より、節約できて、しかもよく効く理由です。


おわりに:まず層で分け、それから決める

電波 vs 超音波 vs 糸リフトの答えは、「どれが優れているか」では決してありません。あなたの問題がある層に、その層の道具を使う。それだけです。電波は肌質と浅い引き締め、超音波は深い筋膜のリフト、糸リフトは構造的なサポート。層で診る目的は、お金を使う前に、必要なのがどれなのか、あるいは複数をどう組み合わせるのかを見極めることにあります。

痛みのことは正直にお伝えします。メーカーも電波治療中に軽度から中等度の痛みが一般的と記載しています。当院は長年積み重ねてきた緩和鎮痛のプロセスで、治療の不快感を大幅に軽減します。全身麻酔ではないので、施術中も医師とその場で話せます。だから痛みへの不安で諦めずに、必要な発数を打ち切れる。リスク(熱傷・一時的な神経症状・しこり・内出血など)は多くが一時的ですが、ゼロを保証するものではなく、診察のときに正直に説明します。費用と所要時間は施術プランによって変わるので、診察または LINE で個別にご案内します。

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出典(海外の美容医療機関の啓発資料および一般文献の整理):Thermage RF と HIFU の作用深度・メカニズムに関する PS Medical、Veritas Clinic、Aura Medical の啓発資料;PDO 糸リフトの二重メカニズム(即時の機械的吊り上げ+漸進的なコラーゲン刺激)の一般医学的整理(Healthline、GLPbase)。本記事は啓発情報であり、個別の適応と施術プランは医師の診察評価によります。

著者について
劉達儒

劉達儒医師

麗式クリニック 院長

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専門分野

<20% 極限低侵襲脂肪腫切除術粉瘤 1:1 精密低侵襲切除ワキガ低侵襲根治手術(腋下・乳輪・陰部・小児)アポクリン腺完全除去術フィラー合併症の単一ピンホール物理摘出術(溶解酵素・ステロイド・5-FUではない)自家脂肪硬結のピンホール微細粉砕摘出術

資格・経歴

  • 高雄醫學大學醫學系
  • 高雄長庚醫院皮膚科專任主治醫師
  • 高雄長庚醫院美容中心專任主治醫師
  • 廈門長庚醫院皮膚科兼任主治醫師
  • 廈門長庚醫院美容中心兼任主治醫師

「すべての手術で、極小の切開と精密な技術で、患者さんに理想的な結果をもたらすよう努めています。低侵襲手術は技術だけでなく、患者さんへの敬意と約束です。」

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