上まぶたに注入した脂肪が出っ張りすぎた場合、取り出すことはできます。ただ、上まぶたは皮膚が薄く、近くに涙腺があり、奥には眼球があります。取りすぎても取り残しても表面に出るため、私たちはまず超音波で脂肪がどの層にあるかを確かめ、そのうえで控えめに、段階的に取り出します。

これはある患者さんの記録です。ご本人はまず右目だけを行い、左目は右目の結果を見てから決めたいとのことでした。そのため修復後1か月の写真には、なかなか得られない比較が写っています。同じ日、同じ照明、同じ体重で、右目は処置済み、左目はまだ処置していません。

注入から3か月、上まぶたが出っ張り始めた

2023年末、上まぶたのくぼみを改善するために、上眼窩へ自家脂肪を注入されました。

約3か月後から、上まぶたのふくらみがはっきり気になり始めました。まぶた全体が盛り上がり、上縁には目に見える輪郭線がありました。その後体重が約5kg増え、ふくらみはさらに目立つようになりました。生着した移植脂肪は、体重が増えると一緒に大きくなることがあります。上まぶたのように皮膚が薄い場所では、その変化がそのまま見た目に出ます。

超音波でわかったこと:脂肪は浅い層に入っていた

超音波で見ると、脂肪は比較的浅い層に入っていました。

上まぶたの皮膚は、体の中でも特に薄い皮膚の一つです。少し深い層に入った脂肪なら、前に筋肉や組織があります。浅い層に入ると、覆うものがほとんどなく、普段から輪郭が見えてしまいます。

いちばんよくわかるのは、強く目を閉じたときです。目の周りの筋肉が縮むと、浅い層のかたまりがはっきりした形で押し出されます。

上段は術前で、手術当日に手術室で撮影したため、術後と照明が異なります。下段は修復後1か月です。同じように強く目を閉じても、右上まぶたのかたまりはもう見えません。

上まぶたが摘出の難しい部位である理由

針孔からの摘出の中でも、上まぶたは上級の部位です。理由は三つあります。

  • 皮膚がとても薄い:取りすぎるとふくらみがくぼみに変わり、取り残すとまだ見えます。表面の許容範囲がとても小さいのです。
  • 外上方に涙腺がある:摘出の範囲は涙腺を避ける必要があります。
  • さらに奥には眼球がある:器具の向きと深さを、はっきりとコントロールしなければなりません。

ですから上まぶたは、「一度で全部きれいに取る」という考え方に向いていません。

段階的な摘出:1回目はあえて控えめに

超音波で評価したうえで、私がお伝えしたことは三つです。

  1. 浅い層に入った脂肪であることを確認し、その層に沿って摘出する。
  2. 段階的に摘出する:1回目はあえて少なめにし、完全に回復してから、まだ目立つふくらみがあるかを確認し、必要であれば2回目を行う。
  3. 回復期のことを術前にきちんと説明する:摘出後は腫れ、内出血が出ることもありますが、回復期の間に少しずつ引いていきます。

針の入口は眉尻の外側です。術後の写真でこめかみに貼ってあるテープがその位置で、まぶたには切開を入れていません。麻酔は局所麻酔と緩和鎮痛麻酔を組み合わせました。

これが当日、右上まぶたから取り出した組織です。

量は多くありませんが、それは意図したものです。Lと書かれた場所が空なのは、左目を今回処置していないためです。

まず右目だけ:同じ1枚の写真の中にある比較

ご本人は、まず右目を行い、左目は右目の結果を見てから決めることにしました。

それによって、修復後1か月の写真にもう一つの意味が加わりました。術前術後の写真でよく聞かれるのは、照明が違うのでは、角度が違うのでは、痩せたのでは、という点です。この写真の下段は、両目とも同じ日、同じ照明、同じ体重、同じカメラで撮影しています。

上段は術前で、両方の上まぶたがふくらんでいます。下段は修復後1か月です。画面左側がご本人の右目で処置済み、画面右側がご本人の左目でまだ処置していません。左右の差から、今回の摘出による変化がそのまま読み取れます。

修復後1か月

1か月後の再診では、右上まぶたはかなり平らになっていました。2回目の摘出の可能性も残していましたが、相談のうえ、現時点で2回目は予定していません。

左目を行うかどうか、いつ行うかは、右目の結果をご覧になったうえでご本人が決めます。

1か月がまだゴールではない理由

1か月の時点では、組織はまだ回復の途中です。残っている腫れが引き、組織が少しずつ落ち着いていきます。最終的な状態が落ち着くのは3か月前後です。

これが段階的に摘出する理由でもあります。1回目は控えめに取り、組織が結果を示すまで時間を置き、それからさらに必要かどうかを決めます。摘出は多ければよいわけではありません。上まぶたは取りすぎると、ふくらみがくぼみに変わります。私が大切にしているのは、取り出す量がちょうどよいこと、そして表面が平らであることの二つです。

写真はご本人の同意を得て使用しており、同じ方の術前と修復後1か月の記録です。個別の症例であり、すべての方の結果を示すものではありません。4組の写真はすべて症例集にも掲載しています。

よくある質問

上まぶたに脂肪注入をしたら出っ張ってしまいました。取り出せますか?

評価は可能です。まず超音波で、脂肪がどの層に、どの範囲まで入っているかを確認します。浅い層の脂肪は普段から輪郭が見え、強く目を閉じるとさらに目立ちます。上まぶたは通常段階的に摘出し、1回目は控えめにして、回復後に2回目が必要かを判断します。摘出できるか、何回に分けるかは個別の評価が必要です。

上まぶたの脂肪を取り出したあと、くぼむことはありますか?

取りすぎれば、その可能性があります。上まぶたは皮膚が薄く表面の許容範囲が小さいため、一度で取り切るのではなく、1回目は少なめにして、回復後にまだ処置が必要な部分があるかを見るほうがよいと考えています。

必ず2回必要ですか?

必ずではありません。この方も2回目の可能性を残していましたが、1か月の再診でかなり平らになっており、相談のうえ現時点では予定していません。2回目が必要かどうかは、回復後にまだ目立つふくらみがあるかで決まります。

片側だけ行うと、左右差が出ませんか?

もう片側を処置するまでは、左右で見た目が異なります。この方の写真がまさにその状態です。片側を先に行ったのはご本人の選択で、結果を見てからもう片側を決められるという利点があります。

摘出後の回復にはどのくらいかかりますか?

摘出後は腫れや内出血がよく見られ、回復期の間に少しずつ引いていきます。最終的な状態が落ち着くのは3か月前後です。実際の回復期間には個人差があります。

入口はどこですか?まぶたに傷は残りますか?

この方の場合、針の入口は眉尻の外側で、まぶたには切開を入れていません。入口の位置は、脂肪の分布に合わせて個別に計画します。

上まぶたに脂肪注入をしたことがある方へ

上まぶたに脂肪を注入して、思っていたより出っ張っている、目を閉じるとさらに目立つ、体重の変化とともに目立つようになってきた、という方は、まず超音波での評価をお勧めします。脂肪がどの層に、どの範囲まで入っているかがわかって初めて、摘出するかどうか、どう摘出するかを相談できます。

上まぶたにヒアルロン酸や脂肪を入れて腫れぼったくなる、ほかの理由については上まぶたのくぼみにヒアルロン酸や脂肪、なぜ入れるほど腫れて見えるのかをご覧ください。自家脂肪のさまざまな合併症への対応は自家脂肪合併症の修正にまとめています。

オンライン相談から、どうぞお気軽に状況をお聞かせください。


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著者について

劉達儒 医師、麗式クリニック院長。超音波ガイド下でのフィラー合併症修正を専門とし、「見えて初めて安全に扱える」という原則を大切にしています。


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